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 アメリカンフットボールの関西学生リーグを制したチームが甲子園ボウルに出られない。3日にあった全日本大学選手権の西日本代表決定戦で関学大(関西2位)が立命大(同1位)に勝ち、史上初の事態になった。関学が17日、東日本代表の日大(関東)と阪神甲子園球場で戦う。

 11月19日のリーグ最終戦では、立命が関学に21―7で快勝した。関学が名古屋大(東海)との西日本代表決定4回戦に勝って再戦が決まり、立命は3―34とリベンジされた。甲子園ボウル出場校を決めるトーナメントに関西2位校も組み込まれて2年目に起こった“逆転現象”。ネット上では「関学が1戦目を捨てていたのでは?」「関学は再戦を見越してプレーを隠していたのでは?」「リーグ優勝の意味がなくなるのでは」などという声が上がっている。

 ただ、リーグ戦で敗れた関学は西日本代表決定4回戦に回った。現状で関東以外のリーグとの実力差は大きいとはいえ、準備の時間は必要だ。移動もあり、試合をすれば負傷のリスクを伴う。わざわざそんな道を選ぶチームは、ない。

 そして甲子園ボウルに出られないからといって、立命大の関西学生王者のタイトルに意味がないとも思わない。関西運動記者クラブのアメリカンフットボール分科会で選ぶリーグ戦の個人表彰選手の4人には、立命からQB西山とRB立川が選ばれたが、関学からは誰も選ばれなかった。

 1戦目は立命が昨年2戦2敗した悔しさをぶつけて勝ち、2戦目は関学が日程的に苦しい中、立命を上回る準備と気迫で勝ちきった。2試合とも最初の攻撃シリーズで先制タッチダウンを挙げたチームが勝った。序盤で主導権を握られると、攻撃のプレー選択は大きく変わる。プレーを隠すとか、使い切っていないというのは、どの試合でも起こることであり、この対戦に特別言えることではない。

 アメフトは常にジャンケンを繰り返すような戦術のせめぎ合いがあり、試合の流れをつかむ工夫があり、体をぶつけ合う体力勝負がある。関学と立命は1年かけてこれらの努力を積み重ね、「関立戦」にぶつける。日本の学生では最高峰の戦いを繰り返してきた。

 関学大の井若主将は1戦目に敗れた後、「俺の責任や」と全員の前で大泣きしてリベンジを誓った。勝負をかけてきた証拠だろう。一方、立命大の近江主将は西日本代表決定戦で敗れた翌日、自身のツイッターで「昨年からリーグ編成が変わり、さまざまな意見があると思いますが、関学と2回戦うなら2回勝つのがパンサーズ。今後、どのようにリーグ編成が変わろうとも、常に勝利を目指し続けるのが立命館大学パンサーズだと思っています」とメッセージを発信した。2試合とも真剣勝負の末の結果。選手がそれを一番よく分かっている。(大西史恭