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 固定観念と戦い、自分で選び取る。それを実践してきた。

 10年前、米国の人気歌手ビヨンセの物まねでブレークしたお笑い芸人が、今や、俳優、司会者、さらにファッションブランドのプロデューサーとしても知られ、SNS「インスタグラム」のフォロワー数は700万人超を数える。

 何を目指しているのか?と人に問われるが、答えはこうだ。

 「『新しい芸人』になりたい」

 芸人とは「自分のやりたいことをやれている人」だと思う。だが実際には、こうじゃないとダメだ、という分厚い壁があった。化粧一つでも、「なぜ化粧? 女芸人なのに」と。

 実績を重ねてきた今、後輩たちには自由に芸をして、好きな格好をして欲しいと願う。「自分がつくってきた道を振り返ったとき、若い子たちも走ってくれていたらうれしいな」

 時代はさらに変わると感じている。女性はもっと生きやすく、男性も「男のくせに」などと言われないような。そんな未来を前に、若者たちへの思いは強い。そこには自身の経験がある。

 「私、すごくうるさい20代だったので」。留学、ワールドツアー……。やりたいことがたくさん。そこに「いいね」と応じてくれる人たちがいた。「本当に目上の人に恵まれた。私もそういう風になりたい」。昨年、30歳になった。「10代、20代の子たちのやりたいことを形にしたい」と願う。自身を材料にして「調理」されたいとも。

 「浮かれたことは、人生で一回もない。芸人としてちゃんとやってんの?と言われたら終わりじゃないですか」。どの仕事にも100%を出してきた。海外挑戦も、自分にしかできないことを更新し続けるため。「海外で千人の前に立って笑わせた時の快感と恐怖って、その時しか味わえない。そうすればまた大きくなって、日本でさらに新しいことができるかな」

 2018年。やりたいことの根を張らせ、確固たるものにしたいという。「誰もやったことのないことを」(文・湊彬子、写真・関口達朗)