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 吹雪の中から現れた白装束の美女。透き通るような息を吹きかけられ、凍死するきこり――。明治時代の文学者小泉八雲が著した怪談「雪おんな」(1904年)の舞台は、意外にも東京の奥多摩地方といわれる。悲しみに満ちた自然の精霊・雪女。物語誕生の背景に何があったのか。

 都心から西に約50キロ離れた奥多摩の玄関口・青梅市。多摩川にかかる調布橋のたもとに「雪おんな縁(ゆかり)の地」の記念碑がある。八雲の孫の小泉時(とき)さんが揮毫(きごう)し、地元商店街などが中心となって2002年に建てられた。怪談に出てくる雪女は、少し下流に現れたのではないかといわれる。

 戦後にダムができた影響もあり水量は減ったが、100年以上前は満々と水をたたえていたそうだ。「厳冬期には川の水が凍ってしまうこともあった。積雪が1メートル以上になることも珍しくなかった」。雪女に関する資料を展示する「昭和レトロ商品博物館」の横川秀利館長(82)は語る。

 「雪おんな」の舞台を青梅とする根拠は英語版「YUKI―ONNA」の序文にある。「雪おんなという奇妙な物語は、武蔵の国、西多摩郡、調布村の農民が、その土地に伝わる古い言い伝えとして私に語ってくれたものである」と書かれている。

 とはいえ、八雲の日本語の理解力は十分ではなかった。小泉家の証言などによると、西大久保(現在の新宿区)の八雲宅で働いていた農家出身の娘と父親が、八雲の妻セツに自分たちの村に伝わる雪女伝承を話したらしい。親子は西多摩郡調布村の出身。現在の青梅市である。

■松江時代 各地の伝…

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