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 ルーマニアで親ナチス政権を倒しながら、共産主義政権によって1947年に廃位されたミハイ元国王が5日、亡命先のスイスの自宅で死去した。王室事務局が発表した。96歳だった。白血病などで闘病し、公の活動は娘のマルガレータ王女が継いでいた。

 1921年にルーマニア中部シナヤのペレシュ城で生まれ、英ビクトリア女王の玄孫に当たるという。在位は26歳までの一時期だけだが、国民統合の象徴として親しむ人も多く、人気は高かった。廃位後は航空機のパイロットなどとして働いたことも知られている。

 89年にチャウシェスク元大統領の独裁が終わり、王制復活へ待望論も出たが、本格的な運動には発展しなかった。政権が警戒し、帰国を阻んだ時期もある。

 1997年に50年ぶりに市民権を回復したが、その後もスイスに住み続けた。元国家元首として近く国民葬が行われる見通しだ。(ウィーン=吉武祐)