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 マツダのロータリーエンジン(RE)搭載車の生産台数は計199万7千台余り。そのうち約4割を占めるのが歴代「RX―7(セブン)」だ。漫才コンビ「笑い飯」の哲夫さん(43)は16年前に生産が終了した3代目「FD」に乗り続けている。なぜセブンなのか。思いを聞いた。

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 ――REにひかれたきっかけは

 中学1年のときに姉ちゃんの雑誌を借りて見てたら「男があこがれるスポーツカー」って特集があって、そこにRX―7が載ってたんですよ。排気量が普通は「1990cc」とか書いてありますよね。でもRX―7だけ「600なんぼ×2cc」とかって書いてあるわけですよ。「なんじゃこれ? 軽四が2台はいってるの?」って。そっからですかね。

 ――REの中には回転するローターが2個入ってますからね

 「これはいったい何だ」って友達とかとしゃべっていくうちにロータリーやからなって。日本が世界に誇る唯一のいかついエンジンだと。図式をみてもよくわからんし。でもなんかとんでもない加速を生むんだって、なんとなく理解できていったんです。

 ――FDにはいつごろ興味を持ったんですか

 (当時の販売ブランド名の)アンフィニRX―7からマツダRX―7になったときに見て、やばいぐらい渋いし、つやっぽい。特に青のカラーがいかついなって思って。でもお高いので、その色のスプレー缶6本買ってきて、当時乗ってた15万円の車を真っ青に全面塗装したこともあります。

 そのうちにこの仕事でお給料頂けるようになって、お金貯まったなってころめちゃ状態いいやつ紹介されたんで、2006年に買ったんです。

 ――02年でRX―7の生産が終了しました

 98年くらいから乗りたいっていうのがあったわけです。02年は(若手漫才の日本一を決める)M―1グランプリで初めて決勝に行けるなど僕らの転機の年で、やっとお金もうけできるんちゃう?ってときやったんですけど、お金もうけしたって、中古車乗らなあかんのかっていう残念感はあったんですよ。念願かなっても中古のFDかって。

 ――今も大事に乗っていますね

 セブン以上に欲しくなる車がないんです。僕の中の「1位」を買っちゃったんで。それで、10年の間にFDを超す1位が現れたかっていうたら、やっぱりずっと1位なんです。

 ほんまロータリー様々で、風をきるようなフォルムっていうのも、(小型で高性能な)エンジンやからこそなせた技なんでしょうしね。すべてが理にかなって、整いきった車なんですよね。

 ――開発が続く新しいRE搭載車への期待は

 やっぱり環境への配慮でしょうね。それを打破することによって絶対いけいけっていう世間のゴーサインが出てくる。新型が出たときに、1位を塗り替えてくれたら乗り換えるというか、買うと思います。買うんですけど、いま乗っているFDは希少価値上げたいんで、おいておくと思います。

 ――トラブルはありませんか

 この前「ウィーン」って上がる、(リトラクタブル式の)ヘッドライトが、収納できなくなったんですよ。ライト消したのに全然収納せえへん。いよいよ壊れたわ、こんな電気系統のとこ壊れんのかって思てたんですけど、別に上げ下げのボタンがあって。なんやねん、こんなんあったんかいって。10年乗ってやっと気づきました(笑)。

 ――カッコいいですよね

 ヘッドライトを開け閉めすると、子ども喜ぶんですよ。おいっこもめっっちゃ喜びました。いまスポーツカーみたいなものが姿を消しちゃってるのが、僕らの世代からいうと残念でね。若い子に「こんなええ趣味もあるねんで」って、教えてあげたい気はするんです。おいっこも小さいときはライトを出しただけで喜んどったくらいやから、ホントはみんな好きやと思うんですけどね。(構成・神沢和敬)

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 笑い飯哲夫 1974年、奈良県桜井市生まれ。関西学院大学卒。一時は自動車販売会社への就職を考えたこともある車好き。2000年に漫才コンビ「笑い飯」を西田幸治さんと結成。M―1グランプリ10年優勝。自称仏教マニアで、著書に「えてこでもかける 笑い飯哲夫・訳 般若心経 写経帖」などがある。