拡大する写真・図版 アラビア語の授業を受けるガザ小中学校の1年生児童=12日、シリア北部アレッポ、其山史晃撮影

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 「子どもは今どこにいるの?」「学校です!」

 シリア・アレッポ東部のガザ小中学校。アラビア語を教える教師の問いかけに、小学1年生の男女39人が元気よく応じた。

 アレッポ東部は内戦勃発時から反体制派の最重要拠点だった。アサド政権軍は2015年9月にロシア軍の軍事支援を得て以来、同地区で空爆を繰り返し、昨年12月15日、完全制圧した。

 それから1年。反体制派の「司令部」として使われた同校校舎には、児童・生徒約1200人が戻ってきていた。校舎には「イランからシリア人への贈り物」と書かれたアラビア語の看板。イランの最高指導者ハメネイ師とアサド大統領の写真つきだ。アサド政権を支えるイランが、被弾して損傷した校舎の修復費用を出したのだ。

 中学1年の女子生徒ファドワ・ハージウマルさん(13)は激しい戦闘で通学できず、自宅で4年間過ごした。だが自宅周辺でも空爆が続き、親族2人が犠牲になった。「学校で勉強できるようになって、とても幸せ。人の命を救うため、将来は医者になりたい」

 世界銀行の報告書によると、アレッポ市内の住宅は全壊約5万軒、一部損壊約15万4千軒。全住宅の約3割が被害を受けた。東部ではほとんどの地区でまだ電気が通っておらず、多くの世帯は自家発電機を持つ人から購入している。水は国連機関や人道支援団体の給水車や井戸水が頼みだ。

 世界遺産の旧市街では、今も全半壊した歴史的建造物が目立ち、作業服姿の男性たちが再利用可能な石材を取り出していた。

 国際社会からの資金協力などを原資とするシリア復興特需は4千億ドル(約45兆円)以上とされ、アサド政権を支援するロシアとイランは商機拡大を狙う。アレッポ市の復興担当リム・ハンジさんは「旧市街を元に戻せば、街に活気が戻る。多くの国が支援してくれたらうれしい」と語った。(アレッポ=其山史晃)

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