拡大する写真・図版 縦2.5メートル×横6.5メートルの大作「挽歌(ばんか)」はワタリウム美術館の書店「オン・サンデーズ」で展示された(弓指寛治さん提供)

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 絵の中で鳥をはばたかせるのは、命を絶った人と残された人たちのためだ。三重県伊勢市の画家弓指寛治(ゆみさしかんじ)さん(31)は、自殺が主題の作品に必ず鳥を描く。自分は母の自殺でやりきれなさに苦しんだ。「絵を見た人の心が楽になれば」。そんな思いと慰霊の気持ちを込めて絵筆を握る。

 伊勢市の伊勢神宮外宮から1キロほど離れた、弓指さんの実家の倉庫がアトリエだ。今年3月、東京から活動の拠点を移した。そこにある作品「挽歌(ばんか)」が評価され、芸術家としての足がかりをつかんだ。

 横6・5メートル×縦2・5メートルの板にアクリル絵の具で描かれたのは、翼を大きく広げた炎の鳥、金の輪を持った無数の鳥、幼稚園、商店街、外宮のかがり火、1級河川の宮川……。育った街と、母の思い出が重なる。

 2016年に描き上げたこの作品の主題は「母の自殺」。弓指さんは、思想家の東浩紀さんが社長の出版社「ゲンロン」が運営する芸術学校の1期生。「卒業制作」として取り組み、首席の金賞に選ばれた。

 弓指さんの母美晴さんが亡くなったのはその4カ月前の15年10月23日。55歳だった。自宅の衣装タンスで最期を迎えた。東京にいた弓指さんは夕方、妹の電話で知った。

「こうしておけば…」今も残る後悔
母が最期に作ったサバの煮物は「人生で一番まずかった」。弓指さんはやっと気づきます。

 音楽療法士でピアノ講師だった…

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