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 日本高校野球連盟が若手指導者の育成を目的に開催する「甲子園塾」(塾長=山下智茂・元星稜監督)。12月1~3日に大阪府高槻市の大冠高などで行われた今年度第2回の特別講師は、今春の選抜で4強入りした報徳学園の永田裕治・前監督と、昨春の選抜を制した智弁学園の小坂将商監督だった。

 両指導者が語った指導理論や甲子園での成功例の一部を紹介したい。

 2014年のドラフト1位岡本和真(巨人)、15年のドラフト2位広岡大志(ヤクルト)と、近年、立て続けに右の強打者をプロに送り込んだ小坂監督の打撃理論は具体的でわかりやすい。

 「バットの芯がどこにあるか。十数センチの芯の部分をしっかり意識しながら振らせることが大事」

 「トス打撃の時はボールの内側を見る。そうすればバットが外側から出ることはない」

 「トップを作る時は捕手にグリップを預けるようなイメージでバットを引く」

 「1球ごとに軸足を外すことは絶対させない。軸足を外すと集中力が切れる」

 「右打者なら右目、左打者なら左目をボールから離さないようにする(必ず両目で見る)」

 今春の選抜では大会屈指の好投手と言われた熊本工・山口翔を攻略。このとき、打線に出していた指示は「高めを徹底して捨てろ」だった。「それなのに1番打者がいきなり高めを打ったんです。こういうときは、すぐに注意して修正しないとチーム全体に伝染してしまう」と力説した。

 永田・前監督は選抜で完封したエース西垣雅矢の育成についてのエピソードを明かした。

 「投手のフォームを思い切って変えるなら、この時期しかない。西垣は冬場に歩幅を6足から6足半に広げた。賭けでしたが、これで秋は132キロだった球速が140キロを超えた」

 今回の甲子園塾でも、永田・前監督の助言でスライダーが曲がるようになった投手がいた。今夏の大阪大会で準優勝した大冠の丸山惇(3年)だ。丸山の悩みは「スライダーが曲がらないこと」だった。数球の練習を見た後、永田さんは「曲げようとしすぎちゃうか? 握りだけスライダーで、まっすぐと同じ感覚で投げてみろ」。

 すると、それまで抜け気味だったスライダーが、右打者の内角低めに鋭く曲がったのだ。丸山は「永田さんから言われた通り、今までは曲げようとしすぎていました。このスライダーなら使えると思います」。大学で野球を続けるという左腕。思わぬ「収穫」に、満面の笑みだった。(山口史朗

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