東芝の社長、会長を歴任した西田厚聡(にしだ・あつとし)さんが8日、急性心筋梗塞(こうそく)のため東京都内の病院で亡くなった。73歳だった。葬儀は近親者で行う。

 三重県出身。政治学者をめざして早大から東大大学院に進んだが、途中で学業を断念。イランから東大に留学に来た女性と結婚し、イランの現地資本と東芝の合弁会社に入社した。1975年に東芝本社に転じた後は海外営業畑を歩み、欧州や米国に駐在。パソコン事業部長などを歴任した。

 2005年に社長に就任すると、米原発メーカー、ウェスチングハウス(WH)の買収を決断。三菱重工業などと競り合い、54億ドル(当時で約6400億円)を投じて買収合戦を制した。東京・銀座の東芝ビルや東芝EMIなどグループ企業を売却する一方、原発と半導体メモリーの二つを強化する「選択と集中」を進めた。後に経団連副会長を務めた。

 西田氏が率いたパソコン部門では不正会計が行われ、後の経営危機の遠因をつくることにもなった。09年に会長に就くと、後任社長の佐々木則夫氏とは対立を深めた。

 WHは、東京電力福島第一原発事故以降、東芝の重荷となり、16年度には巨額損失を計上。WHは17年3月、米連邦破産法の適用を申請して経営破綻(はたん)した。東芝は債務超過に陥り、稼ぎ頭の半導体メモリー事業の売却に追い込まれた。

 15年に発覚した不正会計問題で相談役を辞任。今年に入って胆管がんの手術を受けるなど療養生活を送っていた。

 連絡先は東芝秘書室(03・3457・3256)。