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 北朝鮮から来て北海道松前町沖の松前小島に着岸した木造船の乗組員が発電機を盗んだとして、北海道警は9日、乗組員の男3人を窃盗容疑で逮捕し、発表した。押収された発電機は分解されて内部がむきだしになっていた。発電機は元々の重さが730キロ。道警は持ち出しのために分解したか、内部の装置に狙いを定めたとみて調べている。

 道警は任意の事情聴取を続けてきたが、8日午後に乗組員が船を航行させて逃走を図るような動きをみせるなどしたため、強制捜査が必要と判断した。

 逮捕されたのは、いずれも自称で北朝鮮国籍の船長カン・ミョンハク(45)、船員リ・ヨンナム(32)、船員リ・トンナム(59)の3容疑者。道警は3人の認否を明らかにしていない。

 発表によると、3人は島に到着してから11月末までの間に島の物置から発電機1台(約65万円相当)を盗んだ疑いがある。

 地元漁協によると、発電機は長さ157センチ、幅78センチ、高さ105センチ。2002年に設置され、海水から真水を作る機械の電源を取るために使われていた。

 物置には発電機のマフラーとみられる部品のみが残されていた。別の小屋にあった発電機は残されていたが、一部が分解された状態だった。工具も無くなっていたという。

 捜索で押収された発電機はカバー部分が外され、内部がむき出しの状態。道警は、運び出しやすいようにするためか、もしくは内部の装置を利用するため、乗組員が工具などで発電機を分解した可能性があるとみている。

 木造船は11月28日、松前小島に着岸しているのが確認され、翌29日には海上で漂泊しているのが見つかった。その後、海上保安庁の立ち入り検査で、船内から家電製品などが見つかった一方で、島からは発電機や家電製品などがなくなっていた。道警の任意聴取に乗組員は使っていないと思って島から持ち出した、と説明していたという。

 今月6日、乗組員は道警の事情聴取を拒否。8日午後には、巡視船とつながっていたロープを切断して、船を動かした。

 乗組員は10人で、腹痛を訴え、すでに入院していた1人を除く9人が上陸。容疑者以外の6人は入国管理局に引き渡された。

 乗組員の説明では、9月に北朝鮮の清津港を出港。日本海でイカ漁をしていたが、約1カ月前にかじが故障し、荒天のため、島に避難したという。

 逮捕時には、船内から「逮捕、逮捕!」と叫ぶ声が上がり、乗組員は複数の警察官らに両脇を抱えられたり、わめき声を上げて激しく抵抗したりしながら順次下船した。