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 日中戦争のさなかに起きた旧日本軍による南京事件から80年となる13日、中国江蘇省南京市にある「南京大虐殺記念館」で大規模な追悼式典が開かれた。今年は国家追悼日に定めた2014年以来、3年ぶりに習近平(シーチンピン)国家主席が出席したが演説はしなかった。改善ムードにある日中関係に配慮した形だ。

 式典には、南京事件の生存者とされる人々を含めた約1万人が出席。午前10時(日本時間同11時)の開始直後にサイレンが鳴り、全員が1分間黙禱(もくとう)した。国営中央テレビなどが生中継で様子を伝える一方、会場周辺の道路は封鎖され立ち入りが厳しく制限された。

 兪正声(ユイチョンション)・全国政治協商会議主席は演説で「30万人の同胞が殺戮(さつりく)され、無数の女性や子供が野蛮に虐殺された。中国人民は歴史を心に刻み、平和を愛し、平和的発展の道を進むことを誓う」と述べた。一方、日中関係については「日中両国は引っ越すことのできない隣人だ。民間交流の歴史は長く、中国は日本を含めた周辺国との関係を深化させたい」などと語った。

 追悼式典は長らく地方政府が主催してきたが、14年に国家レベルに格上げされた。同年に習氏が国家主席として初めて出席して以降、ここ2年は最高指導部の共産党政治局常務委員からの出席はなかった。今年は80年の節目でもあり、トップの習氏自らが出席した。(南京=冨名腰隆)

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