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 誰も泣いていなかった。昨年12月22日の夜。谷村潔さん(45)は、一時的に避難していた近くのスナックにいた。「店、やめるつもりないから。残ってほしい」。目の前には、ともに働く板前や自分の家族。被災地ではこの時はまだ、消火作業が続いていた。

 すし店「江戸前 重寿し」の3代目。店は、糸魚川大火の火元となった大町1丁目のラーメン店の近くにあった。ラーメン店で火事が起きた頃は、開店の準備中。「近くで火事だぞ」。常連客からの電話で気づき、愛猫のガブ、店を一緒に切り盛りする母や姉らと逃げた。

 竜巻のような火柱が上がり、真っ黒な空に火の粉が吹き飛んだ。ゴー、バキバキ、バーン――。生まれ育った商店街が崩れゆく音が、あちこちで聞こえた。テレビの映像を通して、自分の店も焼けたと悟った。

 でも、絶望はなかった。頭に浮…

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