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 米太平洋軍(司令部・ハワイ)のハリス司令官が11月に小野寺五典防衛相と会談した際、日本国内の米軍専用施設の上空で、小型無人飛行機(ドローン)の飛行を規制するよう強く要請したことが分かった。現在は規制がなく、法の隙間への対応を米軍から迫られた形だ。政府は関係法令の見直し作業に入った。

 複数の政府関係者が明らかにした。防衛省で11月16日午後、小野寺氏と会談した際にハリス氏は、米海兵隊基地キャンプ・シュワブ(沖縄県名護市など)の上空をドローンが頻繁に飛んでいる実情を指摘。「米軍機とドローンが接触するおそれもあり非常に危険だ」と訴えた。その上で、国内のすべての米軍専用施設の上空で早急に規制するよう要請。首相官邸を訪れた際に、別の政権幹部にも規制を求めたという。

 ドローンをめぐっては、2015年4月に首相官邸の屋上で落下したドローンの機体が見つかるなどトラブルが相次いだ。政府は対策に乗り出し、同年9月に飛行ルールを定めた改正航空法が成立。空港などの周辺の上空域▽人口や家屋の密集地の上空▽地表や水面から150メートル以上の空域――で無許可でドローンを飛行させることが禁じられた。

 だが、日米地位協定の実施に伴う特例法により、改正航空法の関連規定は米軍の専用施設には適用されず、専用施設の上空150メートル未満の空域でドローンの飛行を禁じる規定はないという。

 航空法とは別に、16年3月には首相官邸や国会議事堂、皇居など国の重要施設や原子力発電所、外国の大使館などの上空でドローンを無断で飛行させることを禁じる議員立法(ドローン規制法)が成立した。同法も米軍専用施設の上空を常時規制する対象にはしていない。

 ハリス氏は、太平洋からインド洋にかけての地域を管轄する米太平洋軍のトップ。陸海空海兵隊の4軍の約37万5千人の軍人らを指揮している。(土居貴輝)