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 前地方創生相の山本幸三・自民党衆院議員(福岡10区)がアフリカ各国との交流に言及した際、「何であんな黒いのが好きなのか」と発言したことを巡り、アフリカにルーツを持つ日本の子どもたちに動揺が広がっている。子どもたちは14日、山本氏に抗議文を送った。

 抗議文を書いたのは、NPO法人「アフリカ日本協議会」(東京都台東区)の活動に参加する中学生から大学生の6人。いずれも親がアフリカ出身で、アフリカの歴史や文化を学ぶ。

 「自分のアイデンティティーを否定された感じだ」。父が南アフリカ出身で、母が日本人の津山家野(かや)さん(19)=東京都小平市=は、閣僚経験者の発言に驚いた。

 南アフリカから都内に移り住んで約10年。肌の濃さや髪質が目立つことに複雑な思いもある。でも、理解ある友人のおかげで差別を痛感することはなく、溶け込んでいると思っていた。それが揺さぶられた。「違いを意識するようになり、本当はみんな差別しているのでは、と怖くなった」

 山本氏が発言したのは11月23日、北九州市で開かれた会合の場だ。抗議文では「差別と向き合い、反対する勇気を持つすべての人に対して、真摯(しんし)に謝罪するよう求めます」とした。

 協議会のサイトに掲載した抗議文には、40人以上の賛同者が集まった。父がガーナ出身で高校1年の藤井咲詩(さうだ)さん(15)=東京都練馬区=は「自分から見える世界だけを価値判断の基準にするのではなく、多様で対等な視点を持って社会を見てほしい」と言う。

 協議会の津山直子代表理事(57)は、野球や陸上でアフリカ系の日本人選手の活躍が続いたことで、「存在感が増して、以前より受け入れられやすくなった」とする一方、「今回の発言はその流れに逆行していて、非常に残念だ」と話している。(阿部健祐)