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 中国を初訪問した韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領は13日、中韓の企業関係者約600人を招いたフォーラムで演説し、この日で80年となる旧日本軍の南京事件について「我々韓国人は、中国人が経験したこの苦しい事件に深い共感の思いを持っている。犠牲者を悼み、今も痛みを抱えるすべての人に慰めの気持ちを伝えたい」と言及した。

 文氏は14日、習近平(シーチンピン)国家主席と会談する。米軍の高高度迎撃ミサイルシステム(THAAD)の韓国配備をめぐり立場の違いが浮き彫りになる中、事件の犠牲者らに寄り添う姿勢を示し、南京の追悼行事に参加した習氏との距離感を縮める狙いがあるとみられる。

 演説で文氏は「今こそ北東アジアも、歴史を直視する姿勢の上に未来の扉、協力の扉をさらに開かなければならない。そのためには過去の傷や痛みを癒やす努力が必要だ」とも述べた。名指しはしなかったが、日本政府の姿勢に注文をつけた形だ。

 文氏はこの日、中国在住韓国人との懇談会でも演説し「(中韓)両国は帝国主義による苦難をともに経験し、ともに抗日闘争を繰り広げ、厳しい時期を一緒に乗り越えてきた」との認識を示し、第2次世界大戦中、日本と戦争をした中国と植民地支配下にあった韓国を同列に位置づけた。

 文氏は16日までの訪中で北京から約1500キロ離れた重慶を訪れ、植民地時代に朝鮮人独立運動家らが樹立した大韓民国臨時政府のゆかりの地を訪問する。(北京=武田肇

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