[PR]

 「電子たばこ」を使って、紙巻きたばこの禁煙に取り組んだ人は、電子たばこを使わなかった人に比べて禁煙成功率が低い――。国立がん研究センターによるネット調査でこんな結果が明らかになった。担当者は「禁煙目的で売られているものもあるが、その手段として推奨すべきではない」と指摘する。

 過去5年間に禁煙に取り組んだとする20~69歳の798人に2015年1~2月、インターネット上で調査した。禁煙補助剤や禁煙外来など、どの禁煙方法を試したかと禁煙できたかを聞いた。その結果、電子たばこを使用した人は使わなかった人と比べて、禁煙成功率が約4割低かった。禁煙外来を受診して薬物療法を受けた人は、受けていない人に比べて、禁煙成功率は高かった。

 電子たばこは、ニコチンや香料などを含む溶液を加熱し、気化した蒸気を吸うもの。ニコチンの製造・販売は法律で規制されているが、ニコチン入り溶液は個人輸入されている。禁煙ツールとして人気があるが、その効果は証明されていない。厚生労働省の「たばこ白書」は、電子たばこの一部製品に発がん性物質が含まれるとし、「健康影響に懸念がある」と評価する。

 センターの吉見逸郎主任研究員は「電子たばこには禁煙を奨励する側面がある。一方で喫煙者を惑わし、より効果的な禁煙方法から遠ざけるという悪影響を及ぼす可能性もある」と話す。(黒田壮吉)