宮内庁の山本信一郎長官は14日の定例会見で、天皇陛下が自身の退位の儀式について「できるだけ簡素になさりたいお考え」だと明かした。外国賓客についても、その後に開かれる新天皇の即位の礼に招く可能性を考え、退位の儀式には招待する気持ちがないとした。退位儀式をめぐり天皇陛下の意向が明らかになったのは初めて。皇后さまも同様の考えという。

 退位の儀式は天皇陛下が退位する2019年4月30日に開催する方向で、政府が検討を進めている。退位の儀式が行われるのは江戸後期の光格天皇以来約200年ぶり。宮内庁では、象徴天皇にふさわしいあり方を検討してきた。山本長官によると陛下は6月に退位を実現する特例法が成立した後、「非常に早い時期から」、簡素な退位の儀式を考えていたという。

 退位に際して、新年や天皇誕生日のように一般参賀を行うかについて、欧州王室の代替わり行事では新旧国王が王宮のバルコニーで国民にあいさつをしているが、陛下はその考えがないことを長官らに度々伝えてきたという。パレードを開催するかについては、陛下の言及はないというが、山本長官は「とても考えられない」と否定した。

 こうした陛下の考えを踏まえ、山本長官は、退位の儀式について①外国賓客を招かない②宮殿内で粛々と静かに行いたい――と内閣官房に伝えたという。

 退位の儀式のあり方を巡っては「週刊新潮」(新潮社)が12月14日号で「陛下が華やいだ雰囲気で皇居を去りたいお気持ちを持っている」と報じたことから、宮内庁は14日、同社編集部に文書で抗議し、ホームページに抗議文を掲載した。

 皇太子さまは同年5月1日に即位する。政府は即位行事の中核となる「即位の礼」を同年秋に行う方向で検討しているが、山本長官も「ご譲位のある年の内、しかも数カ月の後」と同様の時期を示した。

 週刊新潮編集部は「官邸関係者や宮内庁関係者、そして霞が関関係者などに対して長期綿密に取材を行ってきました。情報源について明かすことはできませんが、その中身については真実であると確信しています」との見解を示した。(島康彦、緒方雄大)