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 豊田通商は、電気自動車(EV)に蓄えておいた電気を送配電網に送ることで、電力需給を安定化させる新たな取り組みを手がける。EVに蓄電池の役割を担わせることで、普及すれば発電所を新設しなくても電力需給のバランス調整ができるという。EVが普及する欧州の一部で実用化されており、日本での早期の普及をめざす。

 豊田通商は2017年12月、「V2G」(ビークル・トゥ・グリッド=自動車から電力網へ)と呼ばれる新技術を開発した米ベンチャー企業、ヌービーコーポレーションに出資した。出資額は非公表。

 ヌービー社のV2Gでは、充電ステーションに接続したEVが使われていない時間帯に、電力需給の状況に応じてEVにためた電気を送配電網に放電・充電できる。EVの所有者は事前にEVの使用予定を登録し、放電してもいい電気の量を指定する。

 普及すれば、太陽光や風力などの再生可能エネルギーによる発電が少ない時間帯に、複数のEVを通じて電気を供給できるようになる。電力会社などが所有者に利用料を払うことも想定しており、EVの維持費の負担軽減につなげる。

 日本でも通常の蓄電池を使った同様の取り組みはあるが、ためた電気を使える地域が周辺に限られるなどの課題がある。豊田通商は今後、国内での実証実験を始める考えだ。(鬼原民幸)