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 オーストラリアで、キリスト教関連団体で性的虐待を受けた被害者が、存命の人だけで4千人以上いる。豪政府の独立調査委員会が発表した報告書で、こうした実情が分かった。中でも約2500人がローマ・カトリック教会で被害を受けていた。調査委は「カトリック聖職者の独身主義」を問題の一因と指摘し、改革を求めた。

 豪州では1990年代から、キリスト教会などでの子どもの性被害事件が問題化。豪政府は2013年1月に独立調査委を設け、教会以外の、子どもがかかわる様々な団体にも対象を広げて、過去90年分にわたって調査を進めてきた。

 調査委は15日、性虐待の経験を7981人から聞きとったと発表。報告書によると、分析済みの6875人のうち4029人が宗教関連団体で被害を受け、カトリック教会が2489人、英国国教会が594人など、ほとんどがキリスト教関連。10代前半で被害にあうケースが多く、存命者の64・3%が男性だった。

 豪州や欧米のケースでは、教会は被害の苦情を受けると、加害者をほかの教区に異動させて発覚を避けてきた場合が多い。

 報告書は、カトリックでの被害について、「独身主義は直接ではないが、一因だ」と指摘。豪州のカトリック教会に対し、ローマ法王庁(バチカン)に「独身主義を任意とするよう求めるべきだ」と提言した。

 この問題に詳しいRMIT大学(メルボルン)のデスモンド・カール名誉教授は「(加害者は)被害者に『だれかに言うと神様が怒る』などと神秘的な言葉で黙らせてきた」と解説。一方で、子どもと親密になる環境で性的虐待を加える過程は「スポーツ団体など教会以外でも似通う点がある」と指摘し、採用する際に危険人物ではないかチェックすることが大切だと強調する。

 調査委は、子どもを守る政府の専門部局の創設や、性虐待の防止に適切な対応を取らなかった団体に責任を負わせる法令の整備なども提言した。(シドニー=小暮哲夫)

■聖職者による性的虐待、世…

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