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 指定暴力団工藤会が市民を襲撃したとされる一連の事件のうち、福岡市で女性看護師が刺された事件などに関与したとして組織犯罪処罰法違反(組織的な殺人未遂)罪などに問われた元工藤会系組幹部、中田好信被告(42)の判決が15日、福岡地裁であった。丸田顕裁判長は、懲役30年(求刑無期懲役)を言い渡した。

 看護師が襲われた事件で判決が出たのは初めて。ほかの事件を含めて、工藤会トップで総裁の野村悟被告(71)=殺人罪などで起訴=の指揮命令の下で起こされたと認めた。

 判決によると、中田被告は、2012年4月に北九州市小倉南区で福岡県警元警部の男性が銃撃された事件▽13年1月に福岡市博多区で女性看護師が頭などを刺されて負傷した事件▽14年5月に北九州市小倉北区で男性歯科医師が刺されて負傷した計3事件に関与した。元警部と歯科医師の事件で実行役、看護師事件では送迎役を務めた。

 判決はこれらの事件について「綿密に計画を練り上げ、組織性の強さと計画性の高さが際立つ。一般市民を組織的に襲撃した点で特異な面があり、地域に与えた恐怖感や不安感は軽視できない」と述べた。

 丸田裁判長は看護師事件について、野村被告が北九州市の医院で局部増大とレーザー脱毛の手術を受けた後、担当した看護師に不満を持っていたと指摘。「報復や制裁として行われたとみざるを得ない。野村被告の意思決定に基づき、工藤会の活動として行われたと認められる」と述べた。

 そのうえで、中田被告は2事件で実行行為に手を染めており、格別に厳しい非難を免れないと指摘。ただ「殺意の程度は強固ではなかった。各犯行の全体像は知らされず、主体的に企てたわけではない」と判断。事件後に工藤会から離脱したことなどを考慮し「有期懲役刑で償わせるべきだ」と述べた。