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 日中の有識者が安全保障などについて対話する「東京―北京フォーラム」(言論NPOなど主催)が16日、北京で開かれ、自民党の中谷元・元防衛相は、日本政府が導入する方針の長距離巡航ミサイルについて「やむなく必要とあれば、北朝鮮の基地に対して攻撃することも可能な能力を持つことになる」と述べた。

 導入されるミサイルの射程は最大900キロで、日本海から発射しても北朝鮮の領土内に到達する能力をもつ。小野寺五典防衛相は8日の記者会見で、ミサイル導入について「『敵基地攻撃』を目的としたものではない」と強調していた。

 中谷氏の発言は、明らかに日本の安全保障上危機的な状況になれば、ミサイルを北朝鮮の基地に対する攻撃に転用することも可能だとの認識を示した形だ。

 フォーラムでは、中谷氏が指摘したミサイル攻撃の可能性について、中国側から「憲法との整合性はどうするのか」「韓国の同意はどのように考えるか」といった質問が相次いだ。中谷氏は「ミサイル導入について日本政府は専守防衛のためとしている。従来の立場と変更はない」と述べるにとどめた。

 一方、中国の姚雲竹退役少将は北朝鮮問題について、「軍事衝突に至れば、日本も中国も国土に被害を受けかねない。(難民などの)人道的災難を避け、シーレーンの安全を確保しなければならない」などと指摘。その上で「核兵器の拡散を懸念する立場は中日とも共通で、両国は協力を深めなければならない」などと指摘した。(北京=西村大輔)