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 オーストリアで10月の総選挙後に進められていた連立交渉で、右翼政党・自由党の政権入りが固まった。自由党の政権入りは12年ぶりで、西ヨーロッパで唯一の右翼の政権党になる。近く正式に政権が発足する見通しだ。

 第1党の中道右派、国民党と自由党が15日、連立交渉で合意に達したと発表した。国民党を率いる31歳のクルツ外相が首相となる。

 自由党は反移民や反イスラムを掲げて勢いづく欧州の他の右翼勢力と連携している。過去に幹部がナチスを礼賛する言動をしており、他の欧州諸国には警戒感がある。

 中東やアフリカなどから大勢の人が欧州に殺到した2015年の難民危機で、オーストリアは人口の1%を超える9万人の難民申請を受け付けた。移民・難民への反感を背景に、総選挙では国民党、自由党ともに移民の流入抑制や難民への生活保護の削減などを掲げた。

 両党の姿勢で最も違いがあったのが欧州連合(EU)との関係だ。クルツ氏が「親EU」と国際社会との連携を重視する立場を強く打ち出したのに対し、自由党のシュトラッヘ党首はEUの政策への批判が目立っていた。

 自由党は外相、内務相などの閣僚ポストを得る見通しだが、EU政策は首相となるクルツ氏が統括する方針で、当面はEUとの連携姿勢を保つとみられている。自由党はEU離脱をめぐる国民投票の実施という政策主張をひとまず封印する。(ウィーン=吉武祐)

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