[PR]

 京都大原子炉実験所(大阪府熊取町)の研究用原子炉「KUR」(出力5千キロワット)で、9月に配管から放射性物質のトリチウムを含んだ水が漏れるトラブルが起きていたことがわかった。施設内にとどまり、外部への影響はなかったという。京大は原子力規制委員会に報告し、すでに運転を再開している。

 京大や規制委によると、9月20日に警報が鳴り、調べたところ、配管からトリチウム水約100ミリリットルが漏れていた。配管のつなぎ目のボルトの締め付けが不十分だったとみられる。運転再開までの約1カ月間、原子炉で発生する中性子線を使ったがん治療法「ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)」の臨床研究が中断した。

 KURは、東京電力福島第一原発事故後の2014年に定期検査のため運転を停止し、新規制基準に基づく審査を経て、今年8月に運転を再開した。15年1月にも配管からトリチウム水が漏れるトラブルが起きていたが、京大はいずれの事故も公表していなかった。公表しなかった理由について、同実験所は「外部への影響がなく、職員の被曝(ひばく)もなかったため」としている。