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 東京都の豊洲市場で開場に向けた安全対策工事が18日に始まった。請負業者を決める入札手続きが滞ったため、都は見積価格を4割上積みしたり、予定価格の入札前公表に転じたりと、小池百合子知事が主導した入札制度改革の趣旨と異なる方法を駆使して契約にめどをつけた。20日には築地市場の業者団体と「来年10月11日開場」で合意する見通しだ。

 工事は、①地下を換気して空気中の汚染濃度上昇を防ぐ②揮発性の有害物質が地上施設に入るのを防ぐため、地下の床面をコンクリートで補強③地下水をくみ上げて水位を一定に保ち、地下水の汚染濃度を下げる管理システムの機能強化――の3種類9件。18日はこのうち床面補強の1カ所で作業を始めた。都は9件の工事を来年7月末までに終え、来秋、築地市場跡地で2020年五輪用の駐車場などの工事を始める予定だ。

 豊洲の追加工事の入札は、都の想定通りに進まなかった。都は今年9月に手続きを始めたが、参加業者の入札額が相次ぎ、予定価格を超えた。このため、業者から意見を聞き、6件で予定価格を上積みして公表。再入札の結果、3件で引き上げ幅が4割に上り、契約が決まった8件の落札額は、当初の予定価格を5億円近く上回る計約30億3900万円になった。残る1件も入札をやめ、特命随意契約に切り替えるため、予定価格よりも高額になる可能性がある。

 こうした対応について、小池氏は記者会見で「豊洲市場の工事は極めて特殊な環境」と説明している。(伊藤あずさ)