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 栄養不足によるワカメの色落ちや成長不良を防ぐ技術を徳島県農林水産総合技術支援センター水産研究課が開発し、特許を出願した。特産の鳴門ワカメはもちろん、ほかの地域のワカメやノリの養殖にも活用できる可能性があるという。

 ワカメは、植物プランクトンの増加に伴い、海水の窒素やリンなどの栄養塩が不足すると色落ちするとされる。湯通ししても鮮やかな緑色にならず、市場での価値が低くなる。水産研究課によると、色落ちは同県内では約20年前から確認され、生産者を悩ませてきた。

 開発したのは、養殖ワカメに継続的に栄養塩を与える装置。ポリエチレン製の二つの円筒を「半透膜」でつないだ容器(長さ約20センチ、直径5センチ)を作り、内部に寒天で固めた養分を入れる。容器を網状のケースに入れて養殖いかだに固定すると、半透膜は小さな粒子だけを通すため、少しずつ養分が海水に混ざって溶け出し、ワカメに届く仕組みになっている。

 同県阿南市沖の養殖場で2017年10月に実験した結果、約2週間で色落ちが解消。大きく成長した株もあった。来年2月以降、規模が大きい養殖場で実験を行い、悪天候時の対策や採算性などを検討するという。

 同課の池脇義弘・上席研究員は「クロノリ養殖への応用も検討したい。色落ちに悩む全国の産地で使える可能性もある」と話す。

 同課によると、昨年の徳島県産の養殖ワカメの生産量は約5900トン。岩手、宮城両県に次いで全国3位だが、ピークだった1990年ごろの約4割にまで落ち込んでいるという。(福家司)