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 諫早東特別支援学校(長崎県諫早市)小学部6年の秋山大輝(だいき)君(12)の書「健康」が、第36回肢体不自由児・者の美術展(日本肢体不自由児協会など主催)で、特賞の朝日新聞厚生文化事業団賞を受けた。生まれつき骨が折れやすい秋山君は、昨年から自分で動かせる電動車いすを使い始め、活動範囲を広げつつある。将来は気象予報士になるのが夢だ。

 全国の肢体不自由児・者から応募のあった絵画、コンピューターアート、書の計676作品の中から、特賞24点の一つに選ばれた。

 秋山君は難病の骨形成不全症。受ける力が小さくても骨折してしまう。昨年はソファで座り直そうとしたら両ももの骨が折れた。常に気を抜けず、自宅では、床に仰向けに寝そべり、はって移動する。「時々、頭にほこりがたまる」という。

 昨年夏、車いすをベビーカーに似たバギー型から、電動に替えた。誰かに押してもらわなくても、自分で移動できるようになった。母と書店に入って母が立ち止まると、「黙って周りを見ている」だけだったが、今では店内を自由に回る。

 電動車いすを使い出して、「明るくなった」と担任の柾木(まさき)孝之教諭(55)は話す。これまで秋山君の日記は、放課後や土曜に行くデイサービスで食べたおやつの話ばかりだったが、今では「心に残ることが増えてきた」と秋山君。

 今月、特賞の表彰式に出るため東京へ初めて行った。シートベルトをすると骨折のおそれがあるため、飛行機でなく列車や新幹線を使った。何を隠そう鉄道オタクだ。「見て乗って大興奮!」したものの、ラッシュ時の朝夕に電車に乗り、「満員電車はこりごり」とはにかむ。

 お笑いも好きだ。3月にあばら骨を折ったが、笑うと痛いのは覚悟のうえでお笑い番組を見た。表彰式にはものまね芸人のコロッケさんも出席していて、生のネタを見られた。最も好きな芸人はハンバーグ師匠。「一番好きな食べ物がハンバーグだから」と笑う。

 父からは「気象予報士になるにはもっと勉強が必要」と言われている。試験が難しいと聞いて自信を無くしそうになったが、頑張るつもりだ。それと、もう一つの望みは、一人で外出すること。電動車いすの乗り降りは自力でできず、不安もあるが、「実現できれば」と、秋山君はにこやかに話した。(中川壮)