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 法務省が19日に死刑を執行した死刑囚2人のうち、1人は犯行時19歳の少年だった。犯行時に少年だった死刑囚の刑執行は、1997年の永山則夫元死刑囚以来20年ぶり。同省は、当時の年齢は執行に影響しないとの考えだが、死刑廃止団体からは強い非難の声が上がった。

 92年に千葉県市川市の会社役員宅で一家4人を殺害するなどして死刑が確定した関光彦死刑囚(44)は犯行時に19歳だった。96年の東京高裁判決は「卑劣で残虐な犯行で、自己の欲動を抑制しない危険な傾向が顕著だ」と指摘していた。

 少年法は、犯行時に18歳未満だった被告に限り、死刑を無期刑にすると定め、無期刑も減刑できるとするが、18、19歳は対象外だ。関死刑囚の弁護人は一審の死刑判決を支持した高裁判決後、「わずかな年齢差が、生と死を分けるほどの意味を持つのか」と疑問を投げかけた。

 山口県光市で99年に起きた母子殺害事件や、宮城県石巻市で2010年に元交際相手の姉ら3人を殺傷した事件でも被告の死刑が確定しているが、犯行時の年齢は18歳だった。凶悪事件が起きるたび、厳罰化を求める声が上がる少年事件。選挙年齢に合わせ、少年法の適用年齢を20歳未満から18歳未満に引き下げる動きもある。

 市民団体「死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム90」は今月17日、上川陽子法相の地元・静岡市で集会を開き、死刑を執行しないよう求める要請書を法相の地元事務所に届けたばかりだった。同団体の深田卓さん(69)は関死刑囚の執行について、「精神的に未熟な状態で事件を起こしたのだから更生を進めるのが司法の役割だ。それなのに死刑判決を出し、なおかつ執行してしまうのは、死刑制度廃止の国際的な潮流にも反する」と語った。

 一方、松井喜代司死刑囚(69)は群馬県安中市で94年2月、交際女性と両親を殺害したとして殺人などの罪に問われた。99年9月に上告が棄却され、その後、死刑が確定した。

 松井死刑囚に家族を殺され、自らも負傷した女性は95年10月の控訴審判決時、「死刑になっても3人が元気な姿で帰ってくるわけではない」と話していた。松井死刑囚に対する思いを問われると、「突然むごい殺害をしなくても、きちんと話をすればいくらでも解決できた」と述べていた。

 関、松井両死刑囚はいずれも再審請求中だった。深田さんは「再審請求は確定死刑囚にも正当に認められている権利で、何度も請求を繰り返してようやく無実の罪を晴らした人もいる。その権利を奪うとは許しがたい暴挙だ」とこの日の執行に疑問を呈した。