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宇宙新時代 月へ、再び

 アポロ11号による人類初の月面着陸からほぼ半世紀。世界の関心は、再び月に向かい始めた。米国は飛行士を月に送る方針を掲げ、新たな宇宙ステーション構想でロシアと合意。欧州や中国も独自の計画を持つ。各国の狙いは、月の「水資源」だ。(田中誠士)

 「単に月面に星条旗を立て、我々の足跡を残すだけではない。来たるべき火星への、さらに遠くへの土台を築く」――。米トランプ大統領は昨年12月、再び月に宇宙飛行士を送り、将来の火星探査に向けた拠点の建設を指示する文書の署名式で、こう宣言した。

 米国の新たな月探査計画の中核は、月の軌道に建設する新たな宇宙ステーションだ。10年ほど前から各国の宇宙機関が集まって検討してきた探査案の「幹」にあたる部分で、同年9月、米航空宇宙局(NASA)は、新ステーション建設について、ロシアと協力することを合意した。

 最新の探査案は、議論に中国の国家航天局が初めて参加した。20年代前半に宇宙飛行士が滞在できる小型のステーションを建設。離着陸船で4人の飛行士を月面に送り込み、6週間にわたる探査を計画する。ステーションには、最長約2年半にわたって滞在し、宇宙放射線や無重力が長期間にわたって人体に与える影響などを調べる。将来の火星や小惑星探査で、補給拠点の役割も見込んでいる。

 現在、地球の高度約400キロを回る国際宇宙ステーション(ISS)は、米ロ欧日など15カ国が参加。これまでに総額で約10兆円(日本は累計約1兆円)が投じられた。新たなステーションの建設や運営には、さらに多額の費用がかかる可能性が高い。

 3月に東京で開かれる、宇宙探査の国際協力について話し合う政府レベルの会合、第2回国際宇宙探査フォーラム(ISEF2)では、月探査の枠組み作りがテーマになる。

 米ロは、日本などに新ステーション計画への参加を促す一方、宇宙船やステーションの生命維持など、これまで培ってきた基幹技術を切り札にして、月探査でも主導権を握るねらいとみられる。

 一方、その先の道筋は各国それぞれだ。欧州はロシアの計画に参加して、23年ごろ、無人探査機を月面に着陸させる。その後、さらに遠くの探査のための実験場として、月面基地「ムーン・ビレッジ」を作る構想を持つ。中国も20年から無人探査機を月の極域に着陸させるなど、独自の計画を立てている。

拠点建設へ高まる現実味

 なぜ、再び月が注目されるようになったのか。

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