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 くじ引きやじゃんけんによる役員決め、平日昼間の会議――共働き家庭が増える中、PTA活動への負担感が保護者の間で強まっています。業務を代行する業者まで出てきました。そんな中、委員会をやめ、活動ごとに参加者を募る完全ボランティア制に切り替えたPTAがあります。報告ばかりの会合、前例踏襲の中身――会長になってみて分かった現状と改革ステップとは。みんながハッピーなPTAを目指した体験をまとめた「PTA、やらなきゃダメですか?」の著者山本浩資さんにお話を伺いました。

――2012年に東京の小学校で会長になられました。いきさつを教えていただけますか。

 きっかけは東日本大震災です。地域のつながりの大切さを考えさせられましたが、自分を振り返ったとき、あれ、自分も地域とかかわってないぞ、と。何かできないかなと思っていた時に、声をかけてもらいました。

――PTAの経験は?

 全くありません。それまで学校に行ったのは運動会とマラソン大会の時くらい。「会長の仕事は、入学式と運動会と卒業式のあいさつ程度」という説明だったので、なんとかなるだろうと。でも実際は予定がびっしりでした。

 4月以降、六つの委員会の委員を選び、委員長や副委員長を決め、前期の報告と予算決め……そのたびに集まらなければいけません。内容も、紙に書いてある活動報告などを読むだけで、つまらない。なんでこんなことをずっとやっているんだろうと思って周りに聞いてみても、「前例にならっている」と言うのみ。

――ありがちですね。

 そこから、そもそもPTAって何だろうって考え始めました。法律で決められているわけでも決まり事があるわけでもない、なのに参加が義務のように思われ、みんなその時間のやりくりに苦しんでいる、もっと参加しやすい方法はないのかと……。そこで、保護者の生の声を聞こうとアンケートの実施を提案しました。

――それはいいですね。

 でも、それだけで猛反対にあいました。「誰が集計するんですか」とかね。

――どうやって説得されたんですか。

 小説「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」にヒントを得て、「もしドラPTA」を掲げました。ドラッカーの言葉「われわれ(組織)にとっての顧客とは誰か? そこからスタートしなければならない」などを参考に、「顧客であるみなさんのニーズを聞いてマーケティングしましょう」というふうに説明したんです。

――なるほど。アンケートは集まりましたか。

 はい。回収率96%。みなさんの悲痛な叫びが詰まってました。1点1円のベルマーク集計に、会社を休んで参加したお母さんからは「お金を払うから勘弁してほしい」と。

――切実ですね。

 これは一つずつ変えていかないと、と思いました。

 一番大変だったのは、「何かをやめる」ということの説得です。疑問に思いながらもずるずると続く活動をやめるには、それが始まった経緯を知る必要があります。そのため、1年目は徹底して地域の活動に参加しました。町会の行事も全部手伝いに行き、人間関係を作り、話を聞く……。作った名刺100枚がすべてなくなりました。

――すごい。例えば何をやめまし…

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