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ふところ餅(税別325円)

 知多半島の郷土菓子「ふところ餅」。その名の由来は、硬くなった餅を懐に入れて、体温で温め軟らかくして食べるから。農作業しながら、また遊びながら食べるのに便利な携帯食でもありました。実際、年配者のなかにはポケットで餅を温めた幼少期の記憶があるそうです。

 発祥も、正月に残った餅を無駄なく食べる知恵からでした。蒸してつき直し、砂糖を加えて棒状に伸ばしたものを一口大に切りそろえて干せば保存食に。昔は各家庭の味でしたが、今ではメーカー数社が製造し、地域のスーパーで入手できます。

 現代のふところ餅は懐で温めなくても滑らかで軟らか。なかでも江戸時代創業の和菓子店・櫻米軒では5年前に始めた新製品ながら、梅、抹茶、黒糖、白糖の色あいと、その味の良さで評判です。じつは店の看板商品は餡(あん)を郷土菓子の生せんべいで巻いた南知多銘菓「波まくら」。このしっとりした「波まくら」の皮が「ふところ餅」の原料なので、同時に二つの知多の味を楽しめるおとくな味です。

 食べ物を大事にし生体エネルギーをも利用するふところ餅はエコの神髄。心も温まるし、無駄なしで懐も温まるはずです。

採取地

スーパーヤナギ奥田店

(愛知・美浜)

0569・87・2466

デジタル余話

 夏、知多で遊ぶ前に、ふところ餅をスーパーやドライブインで買っておくと、海でも車中でもポイッとエネルギー補給完了で超便利。でも「絶対に硬い餅が懐の熱で軟らかくなんてならない」と思っていた私、櫻米軒の若女将から年配者のポケットの昔話を聞き、心底驚きました。その櫻米軒のふところ餅は、滑らかさも味も香りも格別と感じていたので、銘菓「波まくら」が原料とわかり納得です。

     ◇

 菅原佳己(すがわらよしみ) スーパーマーケット研究家。著書に「日本全国ご当地スーパー掘り出しの逸品」など。

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