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 2年前のクリスマスの朝、広告大手・電通の新入社員だった高橋まつりさん(当時24)は自ら命を絶った。命日の25日にあわせ、母幸美(ゆきみ)さん(54)は昨年に続いて手記を公表し、「大切なまつりを失った悲しみと苦しみは一生消えることはありません」と胸の内を明かした。まつりさんの遺骨の一部は今年、東京・高尾山近くの霊堂に安置された。働き方改革が叫ばれた一年だったが、今年も過労で倒れた多くの人々がこの霊堂にまつられた。

 

霊堂に安置 続く悲しみ

 まつりさんの過労自殺に端を発した電通の違法残業事件は、法人としての電通に対する罰金50万円の有罪判決が10月に確定し、終結した。東京簡裁で判決が出た5日後の10月11日、「高尾みころも霊堂」に幸美さんの姿があった。

 民間企業に勤め、労災認定された人の霊を慰める施設で、厚生労働省が所管する独立行政法人の労働者健康安全機構が運営している。45年前に建てられ、労災保険法が施行された1947年以降に亡くなった25万7898人が奉安されている。ひときわ目立つ高さ65メートル、11階建ての塔の前でこの日、年に1度の産業殉職者合祀(ごうし)慰霊式があり、遺族ら873人が参加した。皇太子ご夫妻も出席した。

 埼玉県の男性(56)は、参列した幸美さんと同じ会場にいた。5年前に過労で亡くなった息子(当時28)が霊堂にまつられたのは労災認定の翌年の2015年。以来、毎年妻と慰霊式に出ている。

 息子は大手電機メーカーの技術者だった。入社3年目にシステム開発のプロジェクトを担当したが、不具合が次々と発生し、完成予定がずれ込んだ。遅れを取り戻すために月100時間を超す残業が数カ月続き、休みもろくにとれない日々が続いた。

 「納期を守らなければ、大変な…

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