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 ラップを学ぶと、2単位ゲット――。慶応義塾大学では今年度から、ヒップホップの講義を始めた。現役ラッパーを非常勤講師に招き、学生に言葉や文化に興味を持ってもらいたいという。

 「俺がオーガナイザー ここは容赦ないさ 『オーガナイザー』と『容赦ないさ』で韻を踏んでいてね……」。東京都港区にある慶大の教室に詰めかけた学生約150人を前に、有名ラッパーのZeebra(ジブラ)さん(46)が説明する。学生たちは拍手喝采だ。

 ジブラさんは今年9月から非常勤講師として週に1回、「現代芸術Ⅱ ヒップホップ文化とラップの構造」を教えている。1月中旬までに全15回の授業を予定しており、試験に合格すると2単位が認定される。

 ヒップホップ文化のひとつであるラップ。例えるなら、上方文化と漫才のような関係だという。まず、授業で学ぶのはラップの基本の「韻」について。学生にラップで自己紹介などをしてもらう。ジブラさんは「洋楽で韻を踏むのは普通だが、日本には根付いていない。ラップの楽しみ方を知ってほしい」と話す。

 授業を受けた4年の大淵はる菜さんは「ヒップホップには怖いイメージがあったけど、奥が深い文化だと分かった」と話した。

 ヒップホップは1970年代に、米国の貧民街で生まれたとされる。それから、現在のように各国の若者らに人気が出るまでの歴史についても学ぶ。「ヒップホップと社会のつながりを理解している答案に点をあげる。もちろん、採点するのは俺」とジブラさん。

 この授業は、音楽文化にも詳しい慶大文学部の粂川麻里生(くめかわまりお)教授(独文学)が企画した。「古くから音楽や文学には韻が使われてきた。授業をきっかけに学生が音楽や言葉にグッと興味を持ってくれるようになった」と手応えを感じている。新年度以降も授業を継続するかは未定だが、ジブラさんは「これを機にヒップホップが学問として定着していけばいい」と話している。(小手川太朗)