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 世界平和統一家庭連合(旧・世界基督教統一神霊協会=統一教会)の元信者の女性(43)が、多額の献金をさせられたとして、教団と国に約4300万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が26日、東京高裁であった。中西茂裁判長は「統一教会であることを組織的に隠す勧誘手法は社会的に相当ではない」と述べ、一審・東京地裁判決が命じた約1千万円の賠償額を約140万円増額した。

 教団活動を規制しなかった国の賠償責任は、地裁判決と同様に退けた。原告、被告ともに上告を検討するという。

 高裁でも教団側の勧誘行為に対する評価が焦点となった。教団に信徒らの使用者責任を認めた地裁判決に対し、高裁判決は教団自体の不法行為を認定。「社会的に不相当な勧誘、教化、現金の支出をさせれば、宗教活動の一環でも不法行為」と指摘した。その上で、統一教会の勧誘だと明かす前の不法行為のほか、明かした後も合同結婚式の参加などを迫った行為などで精神的苦痛を与えたと認めた。

 判決後、女性の代理人の紀藤正樹弁護士は「国の責任を認めないなど不満も残るが、教団の不法行為責任を認めたのは画期的」と話した。教団は「主張が一部認められず誠に残念。上告も検討したい」とコメントした。(後藤遼太)