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 中国の全国人民代表大会常務委員会は27日、香港と広州を結び来年開通予定の「広深港高速鉄道」(全長約140キロ)で、出入境審査などの手続きを香港の西九竜駅に集約することを決めた。同駅の一部や香港を走る同鉄道の車両内で、中国本土の法律が適用されることになる。香港の高度な自治を保障する「一国二制度」が損なわれるとして、香港で反発が出ている。

 1997年の香港の中国返還後も、中国本土と香港を行き来するには国境を越えるような手続きが必要。在来線では香港側と広州側の駅でそれぞれ出入境業務が行われている。新たな鉄道は旅客の利便性を高めるために出入境業務を西九竜駅に集約するとしている。

 西九竜駅に設けられる中国側の通関施設では中国本土の職員が勤務。電車内で犯罪行為があれば、香港を走っていても中国本土の法律に基づいて処罰される。

 香港は93年に死刑制度が廃止されるなど本土と異なる法制度の下にあるが、香港の民主派は「本土の司法権が香港に及ぶことになる」として強く反発。共産党政権に批判的な本などを電車に持ち込んだだけで拘束されるのでは、といった懸念が広がっている。

 香港政府の林鄭月娥行政長官は27日夜、記者会見し、「香港の高度な自治が損なわれることはない」と反論。来年2月に関連法案を香港立法会(議会)に提出する考えを明らかにした。

 西九竜駅と広州南駅をつなぐ同鉄道が開業すれば、乗車時間は在来線の半分以下の48分に短縮される。(香港=益満雄一郎)

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