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 髪の毛のかたちや成分を調べて病気の診断につなげようと、理化学研究所やアデランス、ヤフーなど18機関・企業が27日、新たな検査法の開発に乗り出すと発表した。2年間で1万人分を集めてデータベース化し、毛髪から得られる健康データの活用を目指す。

 ヒトの頭髪は1カ月に約1センチのペースで伸びる。ミネラルやたんぱく質、色素など多数の成分からなり、健康状態などに応じてその組成は微妙に変わる。12センチの毛髪には、過去1年分の体調が反映されており、うまく活用できれば、病気の予兆などを知るのに役立つと期待される。

 まずは数百人分の毛髪を集め、成分を高感度に測定する方法を開発。対象者の食生活や生活習慣などをアンケートで調べ、健康状態や病気の有無との関係を示す指標作りを進める。

 その後、1万人分の毛髪を集めてデータベースを構築し、医療機関とも連携して「毛髪診断」の実用化につなげる。

 現在、健康診断などで行われる血液検査は採血の痛みが伴うほか、直前の食事が結果に影響するなど弱点がある。尿検査も、過去の体調までさかのぼって調べるには限界がある。毛髪データが活用できるようになれば、より手軽に詳しい検査が受けられるようになるかもしれない。

 髪の毛の成分と病気との関係については、乳がんの発症前に毛髪のカルシウム濃度が上がったり、糖尿病と毛髪成分のアミノ酸の関連を示唆したりする研究報告があるという。理研の辻孝チームリーダーは「病気の早期発見に貢献したい」と話している。(佐藤建仁)