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 膨大なデータを元に、人間の能力をはるかに超える速度で答えをはじき出す人工知能(Artificial Intelligence=AI)。その活用は、自動運転をはじめ、医療や金融、畜産業や創作に広がりつつある。一方で、AIの急成長に社会が追いつけず、雇用や個人の尊厳への影響が懸念されている。

 鹿児島市の畜産場「有村ファーマーズ」。乳牛の首には、一頭ごとに歩数や動きの変化を測るセンサーが取り付けられ、病気の兆候をAIが常時監視している。搾った牛乳の成分に含まれるホルモン濃度を元に、人工授精のタイミングを24~36時間前に検知することもできる。

 これらは従来、1日12時間以上の作業を長年続ける中で培った経験や勘が頼りで、後継者不足にもつながっていた。今後、タブレット端末を使って自宅で牛の健康管理ができるようにして、労働時間を年200時間減らし、一般の正社員並みに近づける計画だ。

 経営者の有村洋平さん(41)は「次の経営を考える余裕ができた」と長男(16)に後を継がせることも考え始めた。AIを導入した研究チームによると、畜産農家の高齢化で技術継承がうまくいかず、人工授精の成功率が低下し、牛乳の生産量も伸び悩んでいるといい、の東京理科大の大和田勇人教授は「畜産農家の担い手不足や経営の低迷にAIで貢献したい」と意気込む。

 電子機器メーカー・オムロンの草津工場(滋賀県草津市)では、AIを載せた小さなロボットが、組み立て済みの製品を運ぶ。目的地までの最も効率的な道のりを計算。障害物が道をふさいでいると、瞬時に別ルートを探して走り続ける。従来は、作業の合間に人が運んでいたが、ロボットに任せることで本来の業務に集中できるようになった。

 小泉秀明・生産管理部長は「運ぶ行為は付加価値を生まない。人間がもっと難しい仕事に専念できれば生産性が上がる」と話す。

 広告コピーを作るAIも登場した。電通(東京)が作った広告コピー生成システム「AICO(アイコ)」は、キャッチコピーを作りたい対象を検索窓に入力する。「朝日新聞」と入れると、数秒で「ありがとうは照れくさい。でも朝日新聞なら渡せそう。」など、100個のコピーができた。

 電通の大瀧篤さんは「AICOは、コピーライターの仕事を奪うのではなく、創作支援をするというスタンス。AICOが生み出した作品をたたき台に、よりよいコピーが生まれればいい」と話す。商品名や映画のタイトルなどのネーミングに活用することも視野に入れているという。

記事後半では、総務省の研究会で昨年報告されたシナリオを紹介します。そこで描かれているのは学歴や職歴、SNSで本人が公開した情報など様々なデータをもとにAIが個人の能力や信用力を判断し、人生の重要な場面を左右してしまう世界でした。

■雇用奪わ…

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