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 富士フイルムホールディングスは31日、米国の事務機器大手ゼロックスを買収すると発表した。両社が出資する複合機大手の富士ゼロックスは、買収する米ゼロックスの完全子会社にして経営統合する。ペーパーレス化が進んでコピー機の需要減に苦しむ名門の米ゼロックスを、かつて技術支援を受けた富士フイルムが主導して再建する。

 まず富士フイルムが、子会社の富士ゼロックスから75%の出資を引き揚げ、米ゼロックスが出資比率を25%から100%に変更。続けて富士フイルムは米ゼロックスが発行する新株を約6700億円で買い取って50・1%出資する。今年7~9月に完了させる。

 あわせて富士ゼロックスは国内外で従業員の2割にあたる1万人を削減。米ゼロックスと重複する開発部隊や生産設備、物流網の解消で、2022年度までに年1800億円以上の利益の改善効果を見込む。

 米ゼロックスは1906年に創業。コピー機で世界をリードしたが、需要が伸び悩んで経営が悪化。17年12月期までの3年間で売上高は2割減った。大株主で米著名投資家カール・アイカーン氏らから立て直しを迫られていた。

 一方、富士フイルムにも買収のメリットはある。グループの売上高の半分近くは富士ゼロックスで稼ぐが、欧米で強い米ゼロックスとすみ分けるため、営業地域を日本やアジアに限定してきた。日米の統合で、世界で効率的な営業が期待できる。売上規模は計2・1兆円に拡大し、複合機関連メーカーでは世界最大級にもなる。古森重隆会長兼CEO(最高経営責任者)は会見で「極めて価値創造的な統合だ」とした。

 富士ゼロックスでは昨年、海外の販売会社2社で375億円の不正会計が発覚。企業統治の抜本的な見直しも迫られていた。(川田俊男)

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