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 電波で診断する携帯型の乳がん検診装置を、広島大ナノデバイス・バイオ融合科学研究所の吉川公麿特任教授らが開発した。広島大病院での臨床試験では検診性能と安全性が確認されている。実用化されれば、マンモグラフィー(乳房エックス線撮影)検査と比べて受診時の痛みがなく、放射線被曝(ひばく)もない利点があるため、乳がん検診の受診率向上も期待できるという。

 吉川特任教授らは、乳房内の正常な組織とがん組織とでは、電気的な性質に差がある点に着目。乳房に微弱な電波を当て、レーダーの原理で乳がん組織の位置を検出できる検診装置を開発した。電波の利用に加えて半導体集積回路を開発することで、片手で持てるほどの大きさに小型化することに成功した。

 この検診装置は、ドーム状の器具の内側に16個のアンテナを配置。アンテナ部が360度回転し、15分以内には診断できるという。

 広大病院ではこれまでに乳がん患者5人を対象に臨床試験を行い、検診性能を確認。今後はさらにデータを蓄積して、実用化の道を探りたい考えだ。

 吉川特任教授は「乳がん検診の新たな画像診断の可能性をひらく第一歩。へき地の診療所や寝たきりの患者の所に運んで使うこともできる」と話した。

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http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/(清水康志)