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 米国のヘイリー国連大使は2日、ニューヨークの国連本部で記者会見し、イラン全土に広がる抗議デモを治安部隊が弾圧しているとして、「国際社会が果たすべき役割がある」と述べ、国連安全保障理事会に緊急会合を要請する考えを示した。ジュネーブの国連人権理事会にも緊急会合を求めるとした。

 ヘイリー氏は「イランの人々のとてつもない勇気に喝采を送る」などとしてデモ参加者への支持を表明。「イランの独裁体制の歴史を考えると、今後さらにひどい虐待が行われる可能性が高い」と弾圧の激化に危機感を示した。

 イラン国営テレビなどによると、イラン各地で先月28日から続く抗議デモは、2日夜も首都テヘランなど10都市以上で続いた模様だ。中部イスファハン州では、デモ隊が警官隊に発砲したがけが人は出なかったという。テヘラン中心部でも2日夜、多数の治安部隊が配備され、デモの若者らと小競り合いが起きた。

 イラン全土ではすでに600人以上が逮捕された。司法当局はデモ参加者に対し、「通常より重い刑を科す」と死刑になる可能性まで示して沈静化を図っている。デモ情報はインターネットで拡散しており、政府は国内で2千万人以上が利用しているとされるSNSなどを断続的に遮断して対応。反政府デモに対抗しようと、3日には中部アラクなどで体制を支持する官製デモもあった。

 イランメディアによると、精鋭部隊・革命防衛隊のジャファリ総司令官は3日、「謀略は終了したと宣言できる。警察などの周到な準備でデモは失敗した」と語った。だが、SNSなどによると、複数の都市でデモが起きている模様だ。(ニューヨーク=鵜飼啓、テヘラン=杉崎慎弥