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 安倍晋三首相は4日、三重県伊勢市の伊勢神宮を参拝後に年頭の記者会見に臨み、「今年こそ新しい時代への希望を生み出すような憲法のあるべき姿を国民にしっかりと提示する」と述べた。自民党総裁として党憲法改正原案を早期に国会に提示することに強い意欲を示した形だ。

 自民党は昨年末、9条への自衛隊明記、緊急事態条項創設、参院選の合区解消、教育無償化の「改憲4項目」について論点整理を示した。首相は改めて党内議論を加速させ、党の条文案をまとめたうえで各党との協議に入りたい考えで、「スケジュールありきではないが、与野党に関わらず広い合意が形作られることが期待されている」と語った。

 これは遅くとも来年夏の参院選で勢力が変わるまでに発議をめざすことを念頭に置いた発言だが、自民党内の異論や連立を組む公明党に慎重論が残るうえ、9月には自民党総裁の任期満了を控えており、首相の思惑通りに運ぶかは不透明な要素がある。

 首相は会見で憲法改正に対する考え方についても言及。「国民主権、基本的人権の尊重、平和主義の基本理念は変わらない」と強調した。そのうえで「時代の変化に応じ、国の形、あり方を考える、議論するのは当然のことだ」と述べた。会見の冒頭には「北朝鮮の脅威に備える自衛隊の諸君の強い使命感、責任感に敬意を表したい。従来の延長線上ではなく、国民を守るために真に必要な防衛力の強化に取り組む」とも語り、自身が提起した9条への自衛隊明記に対する強い意欲をにじませた。

 22日に召集される通常国会で、政府は労働時間規制の強化と緩和を抱き合わせた労働基準法改正案などを提出する。首相はこの国会を「働き方改革国会」と名付け、関連法案の成立に意欲を示した。また、秋の党総裁選については「通常国会で結果を出すことに集中したい。先のことは、そのうえで考えたい」と述べるにとどめた。昨年の党則改正で3選をめざして立候補できる環境は整っており、正式な出馬表明は国会終了後となる見通しだ。

 核・ミサイル開発を続ける北朝鮮については「政策を変えさせるため関係国と緊密に連携しながら、圧力を高め、制裁の効果を注意深く見極めていく」と述べた。(大久保貴裕)

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