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 どんな延命治療をいつまで続けるか――。こうした難しい判断に直面する医療チームを支える相談体制をつくる動きが、全国の病院で広がっている。医師以外の医療スタッフらも交えて、患者の生活環境などを考慮した上で最善策を探る新たな仕組みだ。主治医の「独断」によるトラブルを避ける狙いもある。

 妊婦や子どもに高度な医療を提供する大阪母子医療センター(大阪府和泉市)。2016年3月、医師や看護師、心理士、医療ソーシャルワーカーら約10人のチームを立ち上げ、主治医らの相談に応じている。

 昨春、集中治療科の竹内宗之主任部長らの医療スタッフから受けた相談は、重い不整脈で集中治療室(ICU)にいた子どもの治療方針についてだった。その子は、不整脈のために血圧や呼吸を保つ体外循環装置を付けて生命を維持する一方、別の重い病気が新たに見つかって、長くは生きられない状況だった。

 装置を長く使うと脳梗塞(こうそく)などの危険が高まり、1カ月ごとに部品交換も必要になる。「いつまで装置を使うべきか」。治療にあたるスタッフ同士でも意見は様々だった。チームとの相談は約2時間に及び、病状や治療法、子どもにとっての最善は何か、家族の希望などを議論。意見が出尽くしたところで、「部品交換が必要になるまで使い、その間に全力で治療する」と方針を決めた。

 子どもは最終的に心不全で亡くなったが、薬の治療で不整脈は治まり、装置を外して一度はICUを出られた。「どうしても助からない場合、いつ積極的な治療を中止するか簡単に決められない。装置に頼り続けないと決断できたから、迷わずに治療できた」と竹内さんは振り返る。

 こうした相談体制は「臨床倫理コンサルテーション(EC)」と呼ばれ、近年急速に増えている。北里大の長尾式子准教授(医療倫理学)らが、研修医の教育の中心となる大規模病院640施設に2004年度に行った調査では、回答した267施設のうち、ECがあったのは24・7%。それが16年度の再調査で約70%に増えていた。ECに対応する組織も、04年度は倫理委員会がほとんどだったが、16年度の調査では小回りのきく少人数チームが増えている。高知大や金沢大もこの2年でチームを立ち上げた。

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