拡大する写真・図版 野崎島にそそり立つ巨石「王位石(おえいし)」=おぢかアイランドツーリズム提供

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 今夏の世界文化遺産登録を目指す、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」。その構成資産である教会や集落にまつわる「祈りの軌跡」の物語の紹介。今回は、長崎県・五島列島北部の小値賀(おぢか)です。

 五島列島の北に位置する小値賀島。小値賀町の定期船で20分ほどの野崎島の山腹に「王位石(おえいし)」と呼ばれる謎の巨石が立つ。高さ24メートルの二つの石に幅5メートル、長さ3メートルの石が乗る。自然のものなのか、人の手によるものなのかは定かでない。

 王位石は古くから信仰の対象になってきた。近くには704年に創建された沖ノ神嶋(おきのこうじま)神社があり、古くから「神道の聖地」だったのだという。その野崎島には、江戸時代に多くの潜伏キリシタンが移り住んだ。

 神道の聖地になぜ潜伏キリシタンが移り住んだのか。小値賀町教育委員会学芸員の平田賢明さんは「戦略的に入植したと考えられる」と話す。沖ノ神嶋神社の氏子になることで信仰を守ったのだという。「小さな島で異教徒同士が共存していくため、神社の氏子たちも、潜伏キリシタンと知りながら見て見ぬふりをしていたのかもしれない」

「もしかして私のご先祖様?」

 カトリックである自分のルーツを知りたい――。そんな思いを抱いて、北九州市出身の瀬戸美咲さん(28)は2015年に地域おこし協力隊として新上五島町にやってきた。両親は上五島の出身で、祖母は上五島・中通島の北部にあるカトリックの集落に今も一人で暮らす。瀬戸さんも幼い頃から教会に通って育った。「先祖は潜伏キリシタンだったんだろうな」と思っていたが、新上五島町に来て、ある伝承を耳にした。

 江戸時代のことだ。大村藩領の…

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