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 複数の外部からの指摘が見過ごされ、30人が1年遅れで追加合格に――。昨春入学者向けの入試で、本来合格していた受験生30人を不合格としたことを公表した大阪大。今年の入試シーズンが本格的に始まるのを前に、再発防止を急ぐ。

 「厳正・確実であるべき入学試験でこのような事態を引き起こし、多大な迷惑をかけた」。6日、小林傳司(ただし)副学長ら関係者は会見で陳謝した。

 阪大側は6日午前から追加合格の30人に順次、連絡していると説明。「センター試験が近いこともあり、新合格者に一日でも早く結果を知らせるのが大学の責任」と述べた。阪大によると、出題・採点のミスにより本来合格であるはずの受験生を不合格とした事例は、2004年の法人化後では例がないという。

 阪大では各科目ごとに10人の教員が問題を作成し、複数回のチェックを重ね、試験前と後には問題作成に関わっていない教員もチェックに関わっているという。今回ミスがあった物理でも同様の態勢をとっていたとするが、「見落としがあったと言わざるを得ない」と釈明した。

 入試後の昨年6月、8月、12月の計3回、外部からミスを指摘されたにもかかわらず、本格的に調査したのは12月の指摘以降だった。6月の指摘は高校教員が集う物理の研究会で、参加していた問題作成責任者の教授は、副責任者の教授と協議するだけで、大学内で指摘があったことを共有しなかったという。

 阪大側は「外部の指摘に組織的に対応する仕組みをつくっていなかった」と説明。今年の入試に向けて、従来の出題のチェック態勢を強化するとともに、外部からの指摘には、問題作成に関わった教員以外のメンバーで指摘の内容を速やかに検討する「出題検証委員会」を設ける。

 西尾章治郎総長は「受験生の将来に極めて大きな影響を及ぼす事態を起こしたことにより、多大なご迷惑をおかけした」とのコメントを出した。(沢木香織)

過去の追加合格を伴う主な大学入試ミス

  入試年度 大学名 ミスによる不合格者数 受験者への主な対応

  2015 大阪府立大 2人 他大学から転入措置

     08 日本大   8人 予備校費用の負担

     03 高知大   6人 途中入学

1997~01 山形大 428人 おわび金

   97、98 金沢大   6人 補償金

   97、98 富山大   16人 おわび金