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 津軽半島の先端に位置する今別町。町民約2800人のうち65歳以上の割合が51・7%を占め、青森県内で最も高齢化が進む。民間研究機関の「日本創成会議」が「消滅可能性が高い都市」に挙げたこの町に、毎年8月になるたび、全国からスーツケースを引っ張った若者が集い合う。

 町の伝統芸能「荒馬(あらま)」は江戸時代の神事が発祥といわれ、男性が馬、女性が手綱の引き手を演じ、踊りながら練り歩く。毎年8月4~7日の荒馬まつりには、町内各地区の保存会などが参加し、それぞれの踊りを披露する。かつての参加数は2桁にのぼっていたが、徐々に減り、2000年ごろには3団体を残すのみになっていた。

 そのうちのひとつ大川平地区。同地区の保存会の嶋中卓爾会長(60)によると、当時、参加者は10人ほどで、新人は何年も登場していなかった。「いつまで続けていけるのか」。そんな不安を抱えながら町の保育園で祭りの準備をしていた時、見知らぬ6人の若者が突然訪ねてきた。

 「荒馬を教えてください」。そう切り出した若者たちは、京都府にある立命館大の伝統芸能サークルに所属する学生たちだった。戸惑いながらも、足の運び方や手綱の振り方などを教えると、学生たちは2日間、足の裏が真っ黒になるまで踊り続けていた。

 1年後、学生たちは後輩を引き連れてまたやってきた。「祭りに出るか」。そんな誘いに、「いいんですか!」と目を輝かせた。列の最後尾に加わった学生たちは懸命に踊り、運行を終えた途端、感極まったのか声を上げて泣き始めた。「祭りにはこの子たちが必要だ」。嶋中さんはそう確信した。

 立命館の紹介で、大分や名古屋…

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