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 東京都八王子市では、振り袖の販売やレンタルを手がける業者「はれのひ」の八王子店が店を閉ざし、受け付け開始の早朝4時から店員は現れなかった。

 着付けの予約をしていた大学生の女性(20)は急きょ、他の着付け店でレンタル用の晴れ着を着付けしてもらった。ただ午前10時から店と同じビルのホールであった成人式には間に合わなかった。「2年前から予約し、着物代やヘアメイク代など60万円を店に支払った。せっかく買ってくれた母親に申し訳ない」と涙を流した。

 市は早朝から、職員らが人づてに着付けやヘアメイクのボランティアを探し回った。成人式会場の別室で、元着付け講師の女性ら8人が対応した。

 着付けを教えていたという市内の高橋加代さん(66)は知人からの電話で事態を知り、自宅から娘らの晴れ着やバッグ、草履などを持って会場に駆けつけた。被害に遭った女性6人を相次いで着付け、成人式には全員が何とか間に合ったという。「みんな泣いていた。でも、最後は晴れやかな顔で送り出せてよかった。晴れの日に傷つけた業者の対応は、あまりにひどい」

 専門学校生の女性(19)は、2年前に自ら選んで買ってもらったピンクの花柄の振り袖を着られず、高橋さんが用意した晴れ着で成人式に参加できた。「出られなかったらどうしようという不安の中、これだけ助けて下さる方々がいて、幸せだなと思えた。業者への怒りはあるが、みなさんには感謝し尽くせない」と話した。(金山隆之介)