大阪大の昨年の入試で出題と採点に誤りがあり、本来合格の30人を不合格にしていた問題で、昨年6月に誤りの可能性を指摘した予備校講師が9日、朝日新聞の取材に応じ、「もっと早く対応してほしかった」と語った。

 駿台予備学校の大阪校などで物理を教える古大工(こだいく)晴彦さん(56)は昨年6月、高校や大学の教員、予備校講師が近畿の大学入試について意見交換をする「物理教育を考える会」で、阪大の問題作成者の教員に「解答が間違っている」と指摘した。だが、教員は「本学の解答で良いと思う」と説明。別の参加者によると、他にも、「解答が複数存在するのではないか」といった声が数人から上がったという。

 阪大などによると、問題をめぐっては昨年6月の同会での指摘のほか、同8月には別の予備校講師から、同12月にはさらに別の外部の人からの指摘があった。だが、阪大が本格的に対応したのは3回目の指摘以降で、古大工さんの指摘は大学内で共有されていなかったという。

 古大工さんは阪大の対応について「追加合格をした点は良かった」としつつ、「1人ではなく複数の指摘があった。受験生のことを考え、敏感に反応してほしかった」と話した。(沢木香織)