[PR]

 多くの人が仕事や学校などのスケジュールに自分の生活を合わせて暮らしている。そうした中で、体内時計がずれていく「社会的ジェットラグ(時差ボケ)」が起きる。平日の睡眠不足を補う休日の長寝も心身に様々な影響を及ぼすおそれもあるという。この分野に詳しい、国立精神・神経医療研究センターの北村真吾・臨床病態生理研究室長に話を聞いた。

――社会的ジェットラグとは、どういったものでしょうか。

 一言でいえば、社会的な時間と体内時計との不一致を指します。2006年にミュンヘン大の研究チームが提唱した概念です。

 海外旅行など時差のある地域に行くと、私たちの体内時計と現地時間が一時的にずれた状態になるのが時差ボケです。それと同じような状態が、海外旅行をしなくても日々の生活の中で起こりえます。具体的には、仕事や学校など社会的な時間の制約がある平日と、前日に夜更かしして翌朝に長寝をする休日とで睡眠をとるタイミングや時間がずれることで生じます。海外の研究では、1時間以上ずれる人は約7割に上るという報告もあります。1時間程度の時差旅行を週ごとに繰り返すような状態で、最終的に健康へのリスクとして出てきます。

――どのような仕組みで体に影響が出ると考えられるのでしょうか。

 睡眠を含めて外部の時間と体内時計が一致しない状態が続くと、体に負担がかかります。例えば、心臓など循環器系に負荷がかかったり、血糖値を保つ糖代謝のバランスが損なわれたりします。こうした負担の積み重ねが、様々な心身の不調につながると考えられます。社会的ジェットラグのひどい人ほど、心血管疾患や糖尿病につながる肥満やメタボリックシンドロームのリスクが高い、うつ傾向や高ストレス状態にあることなどを報告する海外研究もあります。

――こうした社会的ジェットラグ…

有料会員に登録すると全ての記事が読み放題です。

初月無料につき月初のお申し込みがお得

980円で月300本まで読めるシンプルコースはこちら