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 がんになっても、将来子どもを持つ可能性を残したい。そんな患者さんの願いに応えようと、泌尿器科医の湯村寧(やすし)さん(50)は、治療前に患者さんの精子を凍結する取り組みを進めています。現状や今後の課題について伺いました。

治療の進歩で、クローズアップ

 抗がん剤や放射線の影響で、精子をつくる機能が低下し、精子の数や運動率が減り、男性不妊になることがあります。「将来、子どもがほしい」と願う患者さんたちの希望に添えるよう、治療前の精子凍結に取り組んでいます。

 がんの治療法が進歩し、若いがん患者さんの予後は飛躍的に改善しました。そうすると、次に考えなければいけないのは、社会復帰した後の人生です。「病気は治ったけれども、自分はもう赤ちゃんができないんだ」とか、人生でやりたいと思っていることを、がんになったことであきらめる。そういうことを可能な限り、少なくできたら、と考えています。

ゆむら・やすし
1967年生まれ、北海道赤平市出身。泌尿器科医。93年、横浜市立大学卒業。藤沢市民病院、横須賀共済病院、横浜市立市民病院などを経て2008年から横浜市立大学付属市民総合医療センター。14年から同センター生殖医療センター部長。

 がん治療前の精子凍結は、日本では1990年代から始まりましたが、あまり注目されていませんでした。がんの治療法が進歩し、社会復帰する人が増えたことでクローズアップされてきた部分があると思います。

 米国臨床腫瘍(しゅよう)学会(ASCO)は2006年と13年、がんの治療前に精子と卵子を凍結することについて、推奨する見解を示しました。日本でも昨年7月、日本癌治療学会が、がん患者が治療後に子どもを持つ可能性を残すための医療者向けのガイドラインを作成し、公表しています。

治療後に、妊娠したケースも

 妊娠し、子どもがほしいと望むのは女性だけではありません。精子と卵子がなければ妊娠は成立しません。卵子凍結と同様に、精子凍結も重要です。

 もちろん、結婚、妊娠、子どもを持つことは、あくまで個人の選択です。そういう人生を望まない場合もあるでしょう。ただし、望んだ場合にそういう選択肢がある、ということは知ってほしいと思います。

 厚生労働省研究班の16年の調…

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