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 下半身が動かなくなっても、震災障害者と認められないなんて――。飯干初子さん(71)は、疎外感に苦しんできた。

 23年前、兵庫県西宮市の文化住宅で被災。たんすの下敷きになって腰の骨が折れ、1年近く入院した。車いす生活になり、今も数時間おきに両ひざの周りに締め付けられるような激痛が走る。床ずれを防ぐため、夜は2時間ごとに起きて体の向きを変える。震災後熟睡したことがない。

 仮設住宅で1年暮らした後、復興住宅に転居。周りに知り合いはいなかった。がらんとした部屋に入った時、失ったものの多さを改めて思い知らされた。「もうどうなってもいい」

 2~3年は通院を除き、引きこもり続けた。うどん屋で働き、ママさんバレーに打ち込んでいた元気で明るい性格は影を潜めた。「人が変わった」と友人に嘆かれた。

 神戸市と兵庫県が震災障害者の要望を受け、実態調査を始めたのは2009~10年。震災後に出された身体障害者手帳や精神障害者保健福祉手帳の申請書類を調べ、障害の原因として医師が「震災」などと記した349人を認めた。

 その中に飯干さんは入っていなかった。入院中に手帳を取ったが、申請は家族がしていた。申請書類の原因欄に「震災」などの項目が加わったのは、調査から約2年経ってからだった。

 孤独から救ったのは同じ震災障害者の存在だ。足に障害を負った岡田一男さん(77)を知人に紹介された。初めて会った時は2時間話が止まらなかった。

 それから岡田さんらが開いていた「震災障害者と家族の集い」に出かけるようになった。夏の遠足、冬の忘年会……。手帳に予定を書き込み、心待ちにする。「集いは生きる張り合い。みんなに会うと心がほぐれるんです。だから元気でいたいと思う」

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