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 台北地検はこのほど、中国人スパイが台湾の中台統一を唱える政党の幹部を取り込み、台湾の軍人に接触を図る活動を進めていたと発表した。中国の資金が政党幹部に流れていたという。当局側が中国の「統一工作」に警戒感を強める一方、政党側は「政治弾圧だ」と反発している。

 台北地検によると、中国遼寧省出身で別のスパイ事件で起訴された周泓旭被告(30)が2014年以降、中台統一派の台湾の小政党「新党」の若手幹部3人に接近。幹部らと中台関係のニュースサイトを設け、閲覧する軍人や軍志望の若者に接触を図ったという。

 地検は、周被告のハードディスクから計画書や予算書を復元。文書には、サイトの運営資金として中国政府の国務院台湾事務弁公室(国台弁)から20万米ドル(約2200万円)が提供されたなどと記されていたという。軍人らに接触できると1人につき1万台湾ドル(約3万7千円)の奨金を払うことにもなっていた。

 調べを受けた新党幹部らはスパイ疑惑を否定。検察は、新党の幹部らは「利用された側だ」として起訴を見送った。新党側は「統一派に対する政治迫害だ」と批判している。

 一昨年、独立志向のある民進党の蔡英文(ツァイインウェン)政権が発足して以降、台湾では中台統一派団体による政権批判が強まり、中国国旗を掲げて千人規模のデモをする団体も現れている。当局側はこうした団体に中国側の資金が流れているとみており、統一派団体のメンバーを別の事件で検挙するなど摘発を強めていた。(台北=西本秀

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